第64回 小学6年生 小園結菜の憂い

私には幼稚園からずっと仲良しのM.M君がいます。小学校に入った頃はクラスが違いましたが、3年生からは同じクラスです。M.M君は小さい頃からおっちょこちょいで、人懐っこい性格で、雨上がりにタケノコをみつけることが得意でした。私のことを「ゆいちゃん」と呼びます。でもお父さんとお母さんのことは「オトン」「オカン」と呼んでいました。すぐ「なんで…

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第63回 ちゅれちゅれ草

ちゅれちゅれなるままに日くらし硯にむかひて、心にうつるゆくよしな事をそこはかとなく書きつくれば、あやしうこそものぐるほしけれ。【第一段】街中行き交う人は、老いも若きも茶髪もピンクも「歩きスマホ」はよくある事だ。別に驚くことはない。しかし手の爪を切りながら横断歩道を渡る男には驚いた。【第二段】近頃にわかにルイボスティーを目にする耳にする。…

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第62回 こってりの手前味噌を召し上がれ

※冒頭から手前味噌が流れます。ストレスを感じたら通読をお控えください。 初期の『昭和の香り日記』を読み返し、ここで自己批評してみよう。この頃はとても短い文章だ。しかし筆者の鋭い視線は黒部峡谷のように恐ろしく深い。差し挟まれた絵は今より稚拙だが、笑いと、社会問題を風刺。さながら現代版『国宝・鳥獣人物戯画』。音楽、映画、歴史、動物とテーマ…

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