第66回 大門未知夫のちっさい予言

2024年 7の月 セーヌを下る船隻のパレード 

ノートルダム ルーブル ポンヌフ オルセー 

音楽とダンス トロカデロは歓喜と国旗でトレヴィア~ン (第3巻5番)


2024年 8の月 シャンゼリゼを進むパレード

アントワネット ロベスピエール ルイ16世

オベリスクの建つコンコルド ギロチンを望む民衆はいない (第7巻23番)


フラッグハンドオーバーセレモニー パリからロスへ

2028の断片が人々を高揚させ 記憶を呼び覚ます

恐怖の安倍マリオが土管から蘇るのだ (第8巻11番)


【解釈】これら3遍の詩。日本ショウビズ界滅亡を暗示する、不気味な予言詩だ。「2024年7の月」「セーヌ」から、パリ2024オリンピック開会式を指す。公表された入場行進は観光スポット沿いを各国船でセーヌ川を下り、トロカデロ広場でセレモニー。大手広告代理店が仕切る日本では決して生まれない、斬新で芸術的な発想。同じコロナ禍の制約でも、チャン・イーモウ演出「北京冬季五輪開会式」が、大惨事「東京五輪開会式」とのクオリティの隔たりを顕示した衝撃に、再び日本ショウビズ界は襲われるのだ。恐ろしい。

「2024年8の月」「シャンゼリゼ」から、パリ2024パラリンピック開会式を指す。凱旋門からシャンゼリゼ通りを進む入場行進。フランス革命時ギロチン処刑場だったコンコルド広場でセレモニー。パラリンピックでも閉会式を含めイーモウ「北京」と「東京」との、物語性の深み、人物演出の細かさと表現力の違いを、まざまざと実感させられた日本ショウビズ界。「リオ五輪」「パリ五輪」を横目に、ひとり奈落へ沈むのだ。恐ろしい。

閉会式のクライマックス「フラッグハンドオーバーセレモニー」。次回開催地ロサンゼルスに五輪旗を引き継ぎ、歓迎のパフォーマンス。「ハリウッド」「ブロードウェイ」「スーパーボウル・ハーフタイムショー」「グラミー賞」のアメリカ。言わずもがなだ。対してリオ五輪「オーバーセレモニー・東京」。自民党大会打ち上げ余興にこそふさわしい「安倍マリオ」。ロンドン五輪エリザベス女王「007」の向こうを張り大失敗の「安倍マリオ」。1964東京オリンピック・ポスターをリスペクトした映像は、単に巨大化したアスリートが東京名所を跨いだり飛び越える「エンプティ」さと、1970年代清涼飲料水CMセンスに驚く。やはりコロナ禍でもライブと組み合わせた「オーバーセレモニー・パリ」の高揚感と洗練の映像との違い。空から俯瞰の視点で滑空する鳥、地上を走る人間を追い「人も地球上の生命のひとつ」とメッセージが伝わる「リオ」映像との違い。真夏のその時間を、誰が最高と思うのか「♪東京は夜の7時、東京は夜の7時」と謎のメッセージ賛歌で踊った「オーバーセレモニー・パラリンピック東京」。日本ショウビズ界に「明けない夜はある」のだ。恐ろしい。

ダンスの振り付けがあっても、演技としての振り付けがない日本ショウビズ界。個々を生かしながら集団を統一する演出ができない日本ショウビズ界。世界的な式典になるほど総合芸術となり「音楽」「演技」「衣装」「他」が、海外と日本ショウビズ界の実力の違いで露呈される。恐ろしい。そしてまた2025大阪・関西万博開会式を、入札指名停止解除後の大手広告代理店が仕切る。滅亡へのカウントダウンが始まるのだ。

ショック!! 滅亡の予兆は日本映画界だけではなかった!!

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