第45回 社会科見学
花街小学校6年4組 恵比寿屋 十兵衛
社会科見学に行きました。バスが3台だったので、ぼくたち4組は、いやだけど、他の組のバスに分かれて乗りました。ぼくが乗ったバスは、大嫌いな安倍君のいる3組でした。ぼくはバスに酔いやすいのに通路の補助席で、大嫌いな安倍君の声も聞こえて、気持ちが悪くなりました。少し吐きそうでした。2時間くらいで『アンダーソン&ロビンソン斎場』に着きました。新しくできた外資系の火葬場です。中に入るとおいしそうな匂いがしました。「石窯焼き葬式パン」と「全国お取り寄せ葬式饅頭」の店がありました。上顎骨の形のデニッシュペストリーと、こしあんの葬式饅頭を1個ずつもらいました。「通夜」と「精進落とし」と「法事」と「ギリシャの葬式料理」のフードコートもありました。案内の人が「ここで作る料理は、火葬場で人を焼く時にできるエネルギーを使っているんだよ」と教えてくれました。ぼくは「どんな味がするんだろう」と考えました。担任の安達ヶ原先生は「再生可能エネルギーだぞ」と言いました。でもぼくは「ちょっと違う」と思いました。それから奥に進んで映画館に入りました。どんな映画かなとみんなワクワクしましたが、『人が骨になるまで』という3D映画でした。お母さんの注意を聞かず夜遅くまでゲームをして、翌朝学校に遅刻しそうになった小学6年のたかし君が、無理な横断で車にはねられ死んだ話です。お葬式が終わって、たかし君が火葬場で焼かれるところは、みんな泣いていました。でもたかし君の骨がでてきたら「こわい」と泣いていました。箸で骨を拾うところは、ぼくたちの方に見せて「これは頭の骨です」「これは、のど仏の骨です」と説明しながら壺に入れました。3D映像だから、目の前にたかし君の骨が飛び出てきました。映画の終わりは、今度はお母さんの注意でゲームをやめて、朝も早く起きたたかし君が横断歩道を渡り、無事学校に着く場面でした。安達ヶ原先生は「運転免許センターで観る交通安全教育ビデオと同じだぞ」と言いました。ぼくは「それもちょっと違う」と思いました。帰りも3組のバスでした。やはりぼくは通路の補助席で、大嫌いな安倍君の甲高い声も聞こえて気持ちが悪くなり、エチケット袋に吐きました。社会科見学は楽しかったです。
私の社会科見学のひとつ、かつてのキリンビール広島工場内。
ノルディックサウンド広島
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