第30回 スカーレット・レディ

「11;00 a.m.。人に酔いながら、地下鉄六本木駅から地上に吐き出された僕に、汚れた首都高が迫ってくる。白人、黒人、有色人種。智恵子は東京に空が無いといふが、異国の人は多くいるんだ。(中略)灰色の什器に飾られ詰められた、無口なCD。僕は手に取る。僕は高揚する。僕は脇汗をかく。『見つけた』『僕は見つけたんだ』。独り言のように同じ探究の…

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